御挨拶と当館のあゆみ

御挨拶
日向灘に面した宮崎は、四季を通じて山海の食材が豊富にございます。
マンゴーや地鶏、宮崎牛だけでなく、数多くの名産品がありますが、なにより温暖な気候のため、全国に先駆けて入手できるのも強みです。
私が先代から四代目を引き継ぎ、四半世紀を過ぎますが、献立を固定しない料理は毎日の挑戦でもありました。
料理、器、部屋のしつらいに至るまで、豊かな時間を過ごしていただきたいと願い、喜んでくださいますお客様の姿が日々の励みですが、実は私自身の楽しみでもあります。

御料理 魚安 渡邊 博俊
渡邊博俊経歴
1958年、魚安の長男として宮崎市に生まれる。
上智大学法学部法律学科卒業後、東京で航空会社PR誌を経て、新聞社週刊誌の編集者として全国を取材。
1988年、先代急逝により、宮崎市に帰郷。独学で料理修行を始める。現在、調理師、宮崎県ふぐ処理師、法学士(1989年より、宮崎調理製菓専門学校で衛生法規を教える)。 
合資会社魚安・無限責任社員

当館のあゆみ

「赤江城ケ崎は撞木の町よ 鐘がなければ通られぬ」

宮崎市の中心を流れる大淀川。
その河口、赤江・城ケ崎地区は、江戸時代、港町としてにぎわっており、お金がなければ、通られないほどの繁栄ぶりだったそうです。
当館は、その地に明治28年(1895年)、船宿として創業しました

明治 創業のとき・・ 大淀川を千石船が行きかった頃

宮崎市の中心を流れる大淀川。その河口に位置する赤江・城ケ崎は、藩政時代から明治にかけて、遠く大坂をはじめ、関西各地へ物資の集散地として、宮崎一の賑わいを見せていたといいます。上流の荷を積み込んだ千石船が、大淀川を往来していました。当館は、その地に明治28年(1895年)、船宿として創業しました。
県内で一、二を競う港町でしたが、台風による大雨のたびに土砂が積り、次第に港湾としての機能を失いました。そのため、街の中心も現在の橘通りへ移っていったといわれています。

大正から昭和へ・・ 人々で賑わった太田町界隈

時代の変遷とともに、宮崎市の街の中心も変わりました。当館も、大正時代には赤江の本店に加え、宮崎市の流通を支える橘橋のたもとにも出店し、川魚料理と仕出しの店を営みました。
昭和6年、現在地(太田町)に赤江の本店を移しました。当時、川縁の店として、屋形舟も浮かべ、お客様に喜んでいただいたそうです。
「魚連(ぎょれん)」の名前で親しまれていた、宮崎一の魚の卸売市場があった場所も、当店から東へ100メートルほどの近所でした(注:昭和52年、宮崎市の海側宮崎市新別府町に開場し、現在、県内の魚や野菜などが集まる宮崎市中央卸売市場となる)。その頃は検番もあり、通りには賑やかな三味線の音が響いていたそうです。
近隣には製材所も多く、地名も材木町といいましたが、当店近くには映画館、食堂、銭湯も立ち並びました。

戦時下の悲しい記憶・・ 壮行会の宴席も

太平洋戦争中、南方への攻撃拠点として南九州がその地に選ばれたのは、周知のとおりですが、その基地として赤江飛行場(注:昭和20年3月の空襲で爆破。現在の宮崎空港)が設置されました。出撃前に戦地に赴く兵士の壮行会が、当館でも行われていた時代です。
戦局が悪化するにつれ、赤江飛行場から飛び立つ若い兵士の宴席も目立ったといいます。「戦時下、物資のない時代、会食の代金をお米で頂戴していた」「牛肉がないため、猪肉を使っていた」という戦争中ならではのエピソードが残っております。

戦後 当店正面。昭和28年頃 高度成長期 中庭の池 月見台の奥には60畳敷きの広間が

高度成長期 ホテル時代はプロ野球球団の宿舎に

昭和30年から40年代の高度成長期は、宮崎が観光地として全国に名を馳せた時代です。その頃、40室の和室を持つ旅館、その後、ホテルとして営業しました。当館に見えた新婚さんや修学旅行の生徒さんが、今でも「懐かしい」とお越しになります。
プロ野球やJリーグのキャンプ地として、毎年2月には多くのファンが宮崎市を訪れますが、最初にキャンプ地として宮崎市を訪れたのは“近鉄”です。“近鉄パールズ”と名乗った昭和20年代後半には、当館が一軍宿舎としてご利用いただきました。スポーツキャンプの先駆けでしょうか。

高度成長期 昭和50年代のホテル時代 遠浅の青島海水浴場(魚安パンフレットから) 魚安屋上からの大淀川の眺め(魚安パンフレットから)

そして、現在

船宿から川魚料理や仕出し、旅館、ホテル、そして日本料理店へ。
屋号に魚を戴く店として水辺での生業を続けながら、時代に即して私どもは営業の形態を変えてまいりました。

魚安 玄関 魚安 山祇

時代の変遷と共に周りの風景も変わりましたが、お客様に御満足頂きたいと思う気持ちは、いつの時代も同じです。

地図とアクセス



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御料理 魚安
電話番号 : 0985-54-0456
ファックス : 0985-50-4632
メールアドレス : info@uoyasu.jp
住所 : 〒880-0903 宮崎県宮崎市太田1丁目1番31号

営業時間 : 12:00~14:30 18:00~22:00
定休日 : 不定休
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2014/01/
2014 新春の御献立より をアップいたしました

当館のお料理内容は、おまかせになります。基本は、5品~7品の料理を1品づつお運びいたします。その日に入手した材料を最良に活かしたく、あえて献立を固定せず、お料理内容をお任せいただいておりますことが、当館の特徴です。
重ねて当館を御利用のお客様には献立や趣向が重複せぬよう、仕立て方を変えています。もちろん、お客様のご要望(慶事、仏事の宴など)にはお応えしますので、御予約の際、ご遠慮なくお伝えください。宮崎の郷土料理やお好みの食材にも対応いたします。
お客様にお出ししたお料理の一部を記載いたしました。

料理は こちら から

お軸、花入れ、香炉、灯りに至るまで日本座敷では、いろんな道具を使いますが、それらは自然の風物、年中行事を題材にとった設えが多く、季節に沿って入れ替えるものも少なくありません。
西洋の油絵であれば、一年中同じ名画を飾ることもありますが、座敷では季節にあったお軸を入れ替えるのが一つの楽しみです。
座敷の主役はお客様で、常々、その他の道具はあまり目立たぬようにしております。生来の浅学故に誤り多いことを恐れますが、ほんの少し、燈りのもとで照らしてやりたいと思います。

道具と設えは こちら から

決して広くはありませんが、当館のお部屋は、全室庭に面しています。お食事をしながら、自然を楽しめるよう庭を配しています。大自然の中に住んでいれば、あえて求めることもないのでしょうが、街が都市化するほど、庭の自然を愛おしく感じます。

庭は こちら から

私たちが持つ文化は、日常の中にこそあり、人から人へ伝えてゆく言葉少ないもの。あえて言葉にするものではないとさえ申せましょう。
しかしながら、次の世代に伝える努力を惜しむべきではないと思い始めたのも、滅ぼすには惜しい日本の文化を少し知ったからかもしれません。これはお茶室から見た小さな暦です。

お茶室は こちら から

2014 新春の御献立より


2014 新春の御献立より

5月の料理から 粽(ちまき)寿司

鯛と海老の粽寿司

5月の料理から 青島うにの飯蒸し

飯蒸し(もち米)の上に、軽く蒸したウニ、べっこう餡、針生姜

おこぜ 初夏の味

 目は飛び出し、顔はデコボコ…。そんな愛嬌あるキャラクターからは想像しにくい美味しさです。背中のとげには毒があって、活かしのオコゼをさばくには十分な注意が必要です。オコゼは生食が人気で、当店ではへぎ造りや握りなどで提供しています。クセのない、上品な白身なので、柑橘醤油や塩などの調味料との相性がいいようです。肝、胃袋、皮もおいしく、5月から夏にかけての産卵期は真子も持ちます。潮仕立てのお椀もおすすめです。

4月 青島のウニ、解禁になりました


毎年、桜の時期になると、宮崎市青島のウニ(ムラサキウニ)が解禁となります。今年は、ウニのエサとなる海藻の生育が良いため(あまさん談)、ウニの身質が充実しています(平成25年度)。資源確保のため、解禁時期であっても禁漁期間がありますし、あまさんはフィン(足ヒレ)を使ったらいけないなど漁協による取り決めもあるそうです。当店では、素潜りでその日に採った殻ウニを、あまさん自らが宅配してくれます。ミョウバンの苦味もなく、ウニ本来の優しい甘味が感じられます。漁期は6月いっぱい。

4月 三つ葉ツツジ


表玄関近く、普段は楚々としているこの樹も、花の咲く時は豪華です。樹・花には「表年(おもてどし)」、「裏年(うらどし)」とあるそうですが、今年は表年だったのでしょうか。花つきも良く 見てみて!と言いたげに、風に揺れています。

4月 双子の竹の子

駐車場の傍らに、竹(孟宗竹)を植えております。毎年この時期には竹の子が出てきますが、今年は豊作で15本。狭い場所ですので、アスファルトを割る困った強者も。寄り添うように出た双子もいて、無事に大きくなるよう見守っています。

5月 大山蓮華

初夏の薫りが感じられる五月に欠かせない花、大山蓮華。名前は、ハスの花(蓮華)に似た白い花を咲かせることに由来するそうです。清楚で気品があるモクレン科の花です。

10月の料理から 揚げあわび

生のあわびに衣をつけて油で揚げた「揚げあわび」。中身が固くならないよう、半生の状態に加熱します。長時間炊く柔らか煮とは違う、フレッシュなあわびの甘さを感じます。

昆布と鰹節


昆布の旨みを、軟水でゆっくり抽出し、出しを引く直前に鰹節を削る、という基本を当店では大切にしています。

10月 キバナノホトトギス

宮崎県に生息するキバナノホトトギ。全国でも、この時期にしか咲かない野草です。そして、大淀川の堤防に群生するカモジグサの仲間。

10月の料理から

宮崎産の足赤海老、白ずいきや焼き松茸、デラウェアのお浸しです。

炉の灰を準備

灰作り。年に一度、よく晴れた秋の日に炉の灰を作ります。今年で13回目。本年も早朝より始めました。お茶は火遊び、水遊び、泥遊び。誠に楽しい遊びです。

日経新聞本誌の紹介記事から

当店の紹介記事です。2012年6月7日本紙「九州味めぐり」

 

七月の天神祭

毎年恒例で7月に天神祭が行われます。当店前まで神輿(みこし)がやってきました。この日は、ちょうど御結納の席をお受けしており、お食事の途中、縁起を担ぎ、御客様に神輿潜りをしていただきました。

窓のあかり

茶室の窓は外の景色を眺めるというより、明暗を巧みに取り入れるためのもの。晴天の日、光が多ければ、簾を掛けあえて室内を薄暗くすることで落ち着きを感じます。 Details »

「金鈴」の中庭

今年、庭の竹垣を青竹に交換しました。 Details »

打ち水

打ち水は、季節によって水の撒き方が違います。夏の暑い盛りには、涼しさを感じるよう何度も打ち水をすることが肝要ですし、逆に冬は寒さを感じない程度、最小限の打ち水でいいとされます。 Details »